たけしん保管庫

たけしんがTwitterでは書ききれないことを書いとくやつです。

犬鳴村感想と考察

※注意!この感想文は多少のネタバレと考察を含みます。気になる人は読まないでくださいね。
※その一方、もし興味があるなら観てほしいと思って書いてますので、内容の網羅性は低めです。観た人向けです。

 というわけで犬鳴村見てきました。中々面白かったです。
 たけしんは犬鳴村を、「なんか使われなくなった古いトンネルが恐怖スポットになったけど完全に事実無根の都市伝説」くらいの認識で鑑賞しました。
 そのため、事前のPRとかをちゃんと見た人とは認識が違う可能性があります。ご承知おきください。(同行者がPRの作りが悪すぎる、って言ってたので……) 

・感想

  まず、掴みはめちゃくちゃ良かったです。観てください。犬鳴村ってこんなんでしょ、がすばらしく表現されています。グッドです。僕の認識としては掴みでガッと引っ張られたあと、そのまま上昇していく(謎が増えていく)展開でかなり面白かったです。

 しかし、これ収拾つくんか?大丈夫か?投げっぱなしで終わるんじゃないのか?という不安も凄まじいものでした。結果として、謎が飽和した段階で犬鳴村という映画は急に飛翔し始めたので、なんかもうどうでもよくなりました。それなりにちゃんと着地してくれましたし。予想されていた着地点とは違うものでしたが……(というか飛翔し始めてから完全にコントロールを失ってしまった)。

 飛翔したタイミングはそう、ストーリーをしっかり追うタイプの人なら誰しもがキレたであろう、ハンチング帽子の彼が現実世界に干渉してきた瞬間です。は???お前干渉できんの???

 まさかの、霊(?)の力によって強引に謎を解決しにかかるとは、その飛び道具っぷりには頭が下がります。天才かな?なめてんのか!*1

 しかしここからが犬鳴村の本番です。犬鳴村の血族である主人公は、なんかしらんけど犬鳴村と向き合わないといけないそうです。犬鳴村に行きましょう。
 えっ、お兄ちゃんと弟生きてるの?なんで?なめてんの?(後述の考察を御覧ください)え?ここ過去なの?は?いいぞ!雑なピンチ演出!映画っぽい!(褒めてます)(馬鹿にしてます)

 そして急に始まるバック・トゥー・ザ・フューチャー。自分の祖先を過去に連れてくることに成功しました。なんで????は?????

 ……弟の救出と謎のバック・トゥー・ザ・フューチャーが成功したのでなんかこう、終わったことになるみたいです。いいの?何も終わってないよ?*2

 ここで終わっていたらキレながら映画館を出ていたでしょう。

 しかし、犬鳴村という映画は犬鳴村という映画なりの筋を通してちゃんと要点を抑えてちゃんと締めてくれました。やりおる。

 いい意味で多少の後味の悪さを残して終了。終わってみると、序盤が期待できる出来だったのでテンションが高まり過ぎただけだったかもしれません。犬鳴村は急にトリプルアクセルを始め、ギリギリ転ばないくらいに着地してくれました。偉い。

 

 

 ……割と悪くない映画でした。出来が良い部分と悪い部分がハッキリしているので、悪い部分をどれだけ受け入れることができるかというのが犬鳴村という映画の評価を左右するでしょう。
 犬鳴村という映画としての筋は通せてると思います。なのでなんだかんだ王道日本ホラーとしていい映画だったなぁ、と思いました。
 というわけで、犬鳴村というタイトルや題材、この辺の文章読んで気になった人は観てみてもらえるといいな~って思います。観終わった時点でキレてても責任はとれませんが……。

 

 いい映画でした!(ってことにしてしまう自分が悔しい)

 

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旧犬鳴トンネルにやってきたオリキャラちゃん達

 

 

感想ここまで。以下考察パートです。

・考察

 まず先に押さえて置きたいのが犬鳴村血縁関係です。僕はこういう認識で見てました。違ったらごめんなさい。

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犬鳴村の血族

 犬鳴村の血縁関係はこの2レーンがあったと解釈しています。これ以外の人物は普通?の人です。

 しかしハンチング帽子はなんであそこで子供を村から出したんだ?アイツなんだったんだ……?村の総意は逃がすことなんだーって言ってたけどラストバトルは今までの村の呪いによる犠牲者出てるし。うーん。ラストバトルのことを考えるのはやめます。

 この血筋を念頭において、疑問を考察していこうと思います。

1.犬鳴村の呪い?の影響がまちまちなのはなんで?

 血族なのかそうでないかで呪いの効果が違うんじゃないかと思っています。血族は入村許可され、血族じゃないやつは汎用呪い攻撃(水属性)で攻撃される印象です。

 最初に村に入れたのはお兄ちゃんが血族だったため。女の子だけ死んだのは、お兄ちゃんはそもそも血族なので呪いに耐性があったのではないでしょうか。

 弟とお兄ちゃんが入村できていたのは血族だったから、と解釈しましたが、牢屋に入れられていた理由は映画的な演出でしかなく絶対考えるだけ無駄だと思うので気にしないことにしてます。演出としては王道で良いと思います。

2.ママはなんなの?

 ママ自体は普通の地縛霊だと思っています。犬鳴村の血族ですが。

 ……正直これ以上は特に言うことがありません。ママについてはただの地縛霊ママです。ハンチング帽子と同じです。多分。帽子もダム周辺くらいで縛られてるんでしょ多分。多分。そういえば映写機ってどこなんだ?

 どちらかというと重要なのは次です。

3.息子はなんなの?

 犬鳴村の血族ボーイです。なんかしらんけど、どうやら血の目覚めが強いようです。
思い返してみると、主人公はおばあちゃんに「力」の使い方を指導されていました。たぶん。ゆえに、本来は母親が力の使い方を指導するところ、死んじゃったので多少力が暴走気味なのかもしれません。
 ママ自体は病院在住っぽいので、ママと交信したのも映画のタイミングが初だったのではないでしょうか?

4.歌がダムに沈んだ後が題材なの、時系列がおかしくない?

 僕はそうは思いません。なぜなら、あの歌を歌ってるのは呪いの影響を受けた人であって、誰かから伝承されたわけではないと考えられるからです。
 ゆえにあの歌そのものがダムに沈んだ犬鳴村の住人たちによって作られた呪いの歌だと考えています。あとは恐怖演出の一端。

 もし犬鳴村の過去パートであの歌が歌われていたらここは擁護できないのでバチクソに叩いてください。……と思ってましたが映写機からは音は出ないので、やっぱりあれは村が滅びた後に怨念によって生成された歌だと思います。


5.何も解決してなくない?

 してないと思います。これからもあの血族はこの世に残り、いつかあなたも出会うかもしれません。日本ホラー特有の恐怖演出ってこういう未解決感なんじゃないかなと思います。好きです。

 

EX.ぜんぜんわからなかったところ
  • 結局犬と人間の混血なんですか?違うんですか?
  • 帽子関連の全て。なぜ帽子だけ正気なのか、帽子は結局立ち位置的になんなのか。なんでバック・トゥー・ザ・フューチャーしたのか。
  • 帽子の救いたかった女性はなんなのか。なんでアイツだけ強キャラなのか。
  • 映写機あったのどこ?

  この辺たけしんにはまったく理解できなかったのでいい感じの考察をお待ちしております。

 

 

 以上で犬鳴村感想及び考察といたします。悪い映画ではないと思うので、やっぱりよかったら見てほしいです。
 たけしんはこれからも立派な犬鳴村アンチとして頑張っていきます。円盤も買うつもりです。みなさんも良き犬鳴村ライフを!

*1:※擁護派のたけしん注
逆に言えば、この部分を飲み込めれば犬鳴村はとても楽しめる作品です。そもそもホラー映画自体が超常現象みたいなもんですからね、多少の超常現象を許す以上、霊が現実世界にダイレクトに干渉してきてもいいんじゃないでしょうか?

*2:※擁護派のたけしん注
多少の超常現象を許す以上タイムトラベルくらいしたって(略)ここでお兄ちゃんが死んだのは死者ノルマ的に良かったと思います。ほら、黄泉がえりにはコストが必要だし?あそこが死後の世界なのか過去なのかわからんけど。